『好きなようにしてください』
今の仕事に不満は一切ない。
そんな人はいないのではないでしょうか。
誰であれ、キャリア・やり方を考えている。
本書はそんな疑問に『ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)』の楠木建先生が答えている本です。
こういったビジネス書では、
基本的に「頑張れ」「もっと工夫を」「もっと努力を」という答えに集約されていくのですが、元来努力が嫌いな(ご自身でおっしゃってます)先生の切り口は違います。
例えば
「仕事が辛すぎて辞めたいが踏ん切りがつかない」という質問に対しては、
好きなようにしてください。辞めたければ、どうぞ辞めてください。…
「いままでの人生でも『何かを努力してやり遂げた!』という経験はないように思います」とのことですが、僕にしてもそういう経験はありません。
との回答。
これだけなら何も考えてない人なのですが、
仕事というのはみずからの自由意志に基づいてするものです。…
自由であるということ、それは人によって何が「よい」のか異なるということです。…
そうである以上、この会社で頑張ったところで、あなたにとってあまりいいことはないでしょう。「一年やそこらの社会経験で」などと思わずに、一刻も早く辞めた方がいい。
と続きます。
多くのビジネス書であれば、限界まで努力はしたか?数年はとにかくがむしゃらに!という回答になるでしょう。
楠木先生は肩の力が抜きながらも、きっちりと問題点を見つけ出し答えていく。
この点が非常に読みやすかったです。
本気で悩んでいる人には頑張れ、という言葉が届かないときもあります。
今の自分の働き方に疑問を持っている人には是非読んで頂きたい本です。